第一章

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卒業式が近くなったある日。 今日もまた私たちは一緒に登校してきた。 ガラッとドアを開けて、お互い席に向かう途中。 「そーいえばさ!」と教室にいた男の子、斉藤君が私たちが入ってきたと同時に声を上げた。 「郁斗と未海って付き合ってんの?」 ───え? 「何で?何で?」 「だってよ、いつも一緒に登下校してるじゃん?」 「あぁ~、それは確かに!」 「ヒューヒュー!ラブラブ!」 「カップル、カップル!」 「チューってしちゃえよ~!」 教室ではそんな言葉が飛び交う。 私といっくんは黙ってその光景をみてるだけ。 ──いっくんと私が、付き合う? ───チューって? 頭の中は混乱状態。
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