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卒業式が近くなったある日。
今日もまた私たちは一緒に登校してきた。
ガラッとドアを開けて、お互い席に向かう途中。
「そーいえばさ!」と教室にいた男の子、斉藤君が私たちが入ってきたと同時に声を上げた。
「郁斗と未海って付き合ってんの?」
───え?
「何で?何で?」
「だってよ、いつも一緒に登下校してるじゃん?」
「あぁ~、それは確かに!」
「ヒューヒュー!ラブラブ!」
「カップル、カップル!」
「チューってしちゃえよ~!」
教室ではそんな言葉が飛び交う。
私といっくんは黙ってその光景をみてるだけ。
──いっくんと私が、付き合う?
───チューって?
頭の中は混乱状態。
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