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阿「あぅ……///」
俺がそう言うと阿求は顔を真っ赤にしながら俯いた。
そんなに恥ずかしい台詞だったかな?
普段からそれ以上に恥ずかしいことしてるんだがな……。
キスとか膝枕とか抱き合ったりとか。
一度文が遊びに来たときに目撃されたが、あの時は本当に焦った。
新聞の一面に載せるとか言ってたのを必死で説得したな……。
最終的には映姫さんの説教が怖いと言う理由で諦めてくれたが。
賢「まぁそう言うことだ。
今更帰る気は無いし、阿求とずっと一緒に居たいしな」
阿「賢斗さん……」
その言葉を最後にどちらともなく近づき、優しく唇を重ねる。
打ち上がる花火を背景に、俺達は何時までも抱き合っていた。
どれくらいそうしていただろうか。
気がつけば花火が終わっていた。
辺りは静寂に包まれ、祭りの喧騒も遠くに感じる。
暫く俺は阿求を膝の上に乗せ、満点の星空を見上げていた。
こんなに綺麗な夜空を見られるなんて、本当に幻想郷に来れて良かったと心底思う。
向こうじゃこんな光景、滅多に見られないからな。
阿「くしゅん!!」
ボーっとしていると、不意に阿求が可愛らしいくしゃみをした。
いくら夏場でくっついているとは言え、流石に夜は少し冷えるか。
彼女は元々身体が強い方じゃないし、仕方ないか。
賢「悪い、寒かったか?」
阿「はい、少しだけ。
でも、賢斗さんとくっついているからそこまで寒いわけではありませんよ」
そう言って微笑む阿求。
こうは言っているが、あまり無理させるのもな。
賢「そう言って貰えるのは悪い気はしないがな。
だが無理してほしくないのも事実。
そろそろ戻ろうか?銀牙も腹空かして待ってるだろうし」
阿「もう少しこのままが良かったのに……」
賢「ダーメ。
無理して風邪引いたらどうするんだ?
折角息抜きにって貰った休みに体調崩すなんて本末転倒だろう」
阿「ブー……分かりました」
可愛らしく頬を膨らませる阿求に苦笑しながら、後片付けを始める。まぁ大して散らかしてないから直ぐに終わったわけだが。
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