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~翌日 夕方、稗田邸内~
賢「こんな感じか?」
阿「バッチリですよ♪
……浴衣姿の賢斗さんも素敵です」
阿求が用意してくれた浴衣に着替えた俺は早速その姿を披露した。
俺用に特注で作ってくれたらしく、サイズもピッタリだった。
……何時サイズを測ったのかは言及すまいて。
青を基調とした色に、背中部にはクウガのマークが縫われていた。
阿求、ありがとうな。
賢「気に入ったよ、ありがとうな」
阿「気に入っていただけて何よりです」
賢「阿求もその浴衣、凄く似合ってるよ。
改めて惚れ直したぜ」
阿「もぅ、賢斗さんったら。
……ありがとうございます♪」
阿求の浴衣は紫を基調とした色合いに、百合の花をあしらったデザインのものだった。
普段の和服も似合っているが、こちらも新鮮でいいな。
やっぱり阿求は何を着ても似合うんだな。
そんなことを考えていると、阿求が手を握ってきた。
いい時間だし、そろそろ行こうと言う事か。
賢「それじゃ、行きますか。
今宵は私めにお付き合いいただけますか?
愛しき姫君……」
改めて阿求の手を取り、気障ったらしい台詞を吐く。
……うん、我ながらきめぇな。
若干不安になりながら顔を見ると、頬を染めながらもこちらをしっかりと見ながら笑顔を向けて口を開いた。
阿「えぇ、こちらこそ宜しくお願いいたします。
私をしっかり護ってくださいませ、愛しく頼もしい、私だけの騎士様♪」
うぐ!
上目遣い+この台詞は反則だろ……!
賢「あぁ、任せてくれ」
抱きしめたい衝動を必死に押さえ込みながら手を繋ぎ、歩きだす。
繋ぎ方はもちろん、恋人握りってやつだ。
まさか自分が経験できる日がやってこようとは思わなかったぜ……。
幻想郷に来れて本当に良かった。
小さな幸せを噛み締めながら祭り会場へゆっくりと歩いていく。
俺の全てを懸けて、この少女を護り抜くと静かに誓いながら。
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