眞知と由美

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…と、言うのも、付き合い始めから私たちはお互い好きだったわけじゃないから。 あれは先月、サークルの飲み会があったとき…。 『なんか集まり悪いねー。千鶴、何か知ってる?』 『あぁ、みんな彼氏彼女と忙しいんじゃないのー?』 『うっわ、羨ましいなー。ねっ、由美ちゃん。』 『え?あ、はい!』 『ばーか、由美ちゃんみたいに可愛い子がフリーなわけないでしょ。眞知と一緒にしちゃ可哀想だよ。』 『そ、そんなことないですよ!私、ここ最近ずっと彼氏なんていないですし…』 『え、まじで?』 『はい。』 『んじゃー私たちフリー同士、お互い彼氏できるまで付き合ってみる?』 『えっ?!な、なに言ってるんですか!』 『そうだよ、眞知。由美ちゃん困ってるじゃない。ちょっと酔いすぎ。』 『いいじゃん、由美ちゃん可愛いし自慢の彼女になるよ~。由美ちゃんは私じゃイヤー?』 『え、そ…そんなことないです…』 『ちょっ、由美ちゃん?!こんなバカの言うこと聞かなくていいんだよ?!』 『だーっ!もう、外野うるさい!もう決定したのー!じゃあ、由美ちゃん!今日はお持ち帰りしちゃう!』 『こら、眞知!そんないきなり、由美ちゃん困るから!』 『あ、だ、大丈夫ですよ。眞知先輩酔ってるみたいだし、一緒に帰りますよ。』 で、そのままなだれ込みだらだらと、こんな付き合いを続けている。
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