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「なんかユウリ様気持ち悪いです。エレナ様と手を繋げたのがそんなに嬉しいんですか?」
「なん……だと……!」
俺が一人で感動しているとまさかのセンリからの一撃。咄嗟にブリーチの驚き方が口に出るほどの衝撃に俺涙目。
そんな俺をおかしそうに笑う王女サマは手を離すと、
「まあ、今は疲れているだろう? 詳しい話はまた後でするよ。センリにはもう説明してあるしね。何はともあれ、今日はもう休むといい。勿論パーティには出席しなくてもいいよ。それは君達の自由だからね、強制はしないさ。カールにも勝ったしね」
と言ってくるりと回って俺に背を向けた。そしてそのまま歩き始めた。
待って! この状況でセンリと二人きりってちょっとすごく厳しくないですか!?
俺の心の叫びも虚しく王女サマはそのまま歩き去った。
厳しく感じるくらいの気まずさを持ちながらセンリを見ると、センリは半眼でじとぉ、と俺を見ていた。
「エレナ様の御背中を名残惜しそうに見つめて……エレナ様に惚れたんですか?」
「違います。それとセンリさん怖いです」
「なんで敬語なんですか? 何か後ろめたいことでもあるんですか?」
俺はなんで怒ってらっしゃるのかイマイチわからないセンリの誤解? を解くのにその日は相当苦労しました――
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