エゴイスト

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「あなたバイトしてみない?」 彼女に会ったのはクリスマスイヴだった。 俺はサンタの格好をして居酒屋のチラシを駅前で配っている最中だった。 「は?」 彼女は40代後半だろうか体が細くて長いソバージュの髪が似合う大人の女だった。 そして高そうなブランドのカバンを持っていた。 そして指には大きな宝石がついた指輪。 一瞬で金持ちだとわかるような風貌だった。 「バイトなら今してますから。」 俺はアッサリ言い放った。 「今してるバイトの数十倍はお給料出すわよ。」 ・・・・・・。 俺はドキドキした。 就職を諦めフリーターやっている自分に嫌気がさしている時期だった。 これは何かのチャンスかもしれない。 「な、なんのバイトですか?」 女はニッコリ笑って 「一定期間あたしの小説のモデル兼恋人になってもらうのよ。」 げっ!この人を抱くのか。 でも見た目は綺麗だし、悪くないかも。 「いっいくらくらいですか?」 「そうね。前払で百万渡すわ。悪くないでしょ?」
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