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「うっせー!! サンタなんか居ないに決まってるだろ!!」 クリスマスも間近に迫った十二月半ば。 通り掛かった空地から聞こえて来た子供の声に、私は思わず顔を向けた。 「何言ってんだよ、亮(リョウ)。サンタは居るよ。去年のクリスマス、僕プレゼント貰ったもん。」 「オレもミニ四駆貰った!今年はなー……、新しいグローブ貰うんだぜー。」 空地に、少年と言うにはまだ少しだけ早い位の子供が三人。 ミニ四駆を貰ったと言う子はツルツルの坊主頭。 この寒いのに誰もが半ズボンで、ジャンパーは空地の端に脱ぎ捨てる様に置いてあった。 違う一人が、小脇にサッカーボールを抱えている。 三人でサッカーをやり走り回って暑くなった後、上着は脱いだ様だ。
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