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二人の少年も、自分たちと合わない話に眉を寄せた。
遠くの……役所からだろうか。
夕暮れを告げるサイレンが聞こえた。
さっきの犬かな。近くで遠吠えも聞こえた。
「……もう五時だし、帰ろう。」
「亮、サンタは居るんだからな。」
サッカーボールを持った子と、坊主頭の子が自分の上着を取って帰って行く。
残された亮と言う子は、意地を貫く様にそこに仏頂面で足を踏ん張っていた。
「何時までもそこに居たら風邪を引くぞ?」
気が付けば、私は亮と言う子に声を掛けていた。
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