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「どうして、それがサンタは居ないと言う結論に繋がるんだい?」
口をへの字にして歯を喰い縛った彼に、そっと尋ねてみた。
「サンタは居ない。何処の家も本当は父ちゃんがサンタの振りしてプレゼントを買って来てるんだ。……それに、僕は一番欲しい物をもらった事なんかない。だから、サンタは居ないって言ってるんだ!」
訴えるかの様に私に放たれた言葉。
亮君の頬からは、いく粒もの涙が静かに流れていた。
「君に近付いてもいいかな。ハンカチを渡したいんだが。」
と、私はコートの右ポケットから紺色のハンカチを取り出した。
さっき使って、少しだけ依れていた。
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