第一夜 疾黒

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長い間、考え事をしているヘイルスに 〝なぁ〟とか〝何考えてるんだ?〟とか聞いても 〝少し待っていてください〟 と言われて仕方なく待っていたのだが さすがに待ちきれなくなって 〝なぁ!〟と強めに言ったら真顔で 〝死にますか?〟 と言われた時には流石に怖かった その後しばらくしてヘイルスが立ち上がりこちらを一瞥して一言 「おもしろい!これは想像以上です!」 と興奮した面もちで俺の肩を掴む。 正直痛い だがそれどころではなくこっちは状況がつかめない 「ちょっと待て!説明をしてくれよ!」 これは失敬、といってコホンと咳払い、 「まず今の状況を説明しますね。 先ほどあなたが放出した魔力… 量はあなたの年齢にしては少し多いほうです… でもこんなもんじゃ私は驚きません… あなたより優秀な方はたくさんいますし 問題なのは属性の方です。 あなたは自分の属性がわかりましたか?」 よくはわからないが色的に言えば闇だろうか? 珍しいのか? 「闇…ですか?」 「ちがいます」 即答だった、でもそれ以外に特に思い当たらない 俺の属性は何なんだろうか? 「困惑した表情ですね? まぁ仕方が無いでしょう。 ずばり言います、あなたの属性は… 〝黒〟」
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