異世界

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横を見ると 凶悪に角を光らせ、怒りの表情を浮かべた〝ヤツ〟がいた。 赤い目にはしっかりと俺の姿が映ってる。 そこから決死の逃亡劇が始まり 今に至る訳だ… なんて、経緯を思い出して見たものの、余裕などあるはずもないようで 「ブォォォ!」 先程よりでかい雄叫びを上げて、 ヤツが突っ込んでくる またそれを避けようと横に飛ぶ… しかし、悪夢は突然にやってきた。 ビンッ 「なッ」 服が木に引っかかると言う絶望的な状況… 渾身の力で横っ飛び! 服が破れて体の自由を得て、茂みに飛び込む なんとか回避できた、 と思った瞬間… ボキッ 嫌な音がする… イノシシもどきはそのままの勢いで木にぶつかり それと同時に着地… 鈍い激痛が走る 骨折独特の痛みだ… 「ぐぁ」 激痛の最中(さなか)でなんとか 生き残る術を探す すると、腰辺りに固い感触を感じて、 それを握りしめる やっぱり…やるしかない! 俺は右足を前に出し 前かがみになり右手でそれの鞘を握りしめ左手を柄の位置に持ってくる。 居合いの構えだ。
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