闇夜の鴉

闇夜…？

…というか

『皆にいうの？』

『………あ？何を』

『臭い台詞』

俺の隣に座った美形さんに、とりあえず疑問に思った事を聞いたら…

『言わねぇよ、つか、言う訳ねぇ』

と、何故かむすっとした顔で言われた。

『お前は…

いや…

そういや名前聞いてねぇな』

そう言うと、俺の方をみて笑った。

『俺は來臥。皆、ライって呼ぶけどな』

………來臥

その笑顔にまた、ﾄﾞｸﾝと煩くなった心臓…

え？俺、何かの病気…？

『お前は？』

『………………ラン』

俺は、來臥とあうと違う自分になった気でいた。

皆に嫌われる蘭珠ではなく、ランとして…

小さな夢を見たかった。

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