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――――
――…
『どうした』
…あの日から、時々この公園で会うようになった來臥は、
いつも最初にその言葉をいう。
それがあまりにも可笑しくて、思わず口元に笑みを浮かべてしまう。
今まで感情を凍らせていたのに、何故か來臥に逢うと
その氷が溶けていくんだ。
心の中が暖かくなって…
凄く…
嬉しくて…
『なぁ…ラン。お前…好きな奴いるのか…?』
何故か、しどろもどろに視線をさ迷わせて聞くから首を傾げてしまう。
『好き…?
好きって…何?』
『あ?ぁー…恋愛感情?なんつーか…、そいつを思うとドキドキしたり…こう……………ああ!駄目だ、説明できねーよ!ようは、そいつとキスしたいとかセック……ああ!もう何でもねーよ!』
何故か顔を赤くしてそっぽを向くから、可笑しくてクスクス笑ったらどつかれた。
不意に腕をひかれ、すっぼりと來臥の腕の中に収まっていた。
『………來臥?』
『…好きだ。ずっとランが好きだった。俺のモノになれよ』
耳元で囁かれた言葉は、自然に心の中に落ちていった。
俺の唇にふれる來臥の熱に…
ドキドキしたんだ。
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