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『何の騒ぎだ、あぁ?』
『あ!違うのよ!だって、いきなりランが暴れるから!』
『そうだよ!僕達は悪くないよ!見てよ、いきなり殴りかかってきたんだよ!』
そういって、來臥に抱き付いてさっき抵抗した時に頬にかすった爪痕を見せる男の子。
來臥は、男の子の頬を撫でてから俺に冷たい瞳を向けた。
『きっと、嫉妬したんじゃない?』
その言葉に來臥の瞳が細められたのをみて、たまり場から走り出した。
來臥が、追い掛けてくる事はなかった。
それからも、
扉の向こうから生々しい声が聞こえた。
室内からは明らかに情事の最中であろう物音と喘ぎ声…
それと…
『愛』を囁く声…
俺に向ける言葉と同じ、
…違う、俺にむけるよりも深い愛の言葉。
2人っきりの時は、俺を抱きしめてキスをする。
でも、
俺以外には、それ以上の愛情を注ぐ。
ねえ、來臥。
今、來臥が抱いている女の人…
誰の彼女かわかってて抱いているの?
來臥にとって、
仲間って何?
恋人って…何?
俺は…何?
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