7206人が本棚に入れています
本棚に追加
『!ゃ…』
焼けるような痛みに身体が跳ねて、咄嗟に來臥を離そうと空いている手で來臥の胸元を押した。
…それが、いけなかったのかも知れない。
俺が嫌がったと思ったのか、ボタンが更に弾け飛んで地面に転がった。
『…俺が…どんな想いで……今まで』
首から耳を舐めて囁く。
來臥がどんな意味でそれをいったのかはわからないが、
切なそうに囁いた言葉は俺の身体の自由を奪った。
髪を無理矢理かきあげて壁に頭を押し付け、俺の瞳を睨む。
その瞳にうつる悲しみに、
心がズキリと傷んだ。
…どうして、來臥が悲しそうにしているの?
…どうして、來臥が泣きそうなの?
…どうして、來臥は
俺を信じてくれないの?
血の味が口の中に広がる。
俺の舌を絡めとりながら、身体をまさぐる手に
何故か、
吐き気を覚えた。
俺を誰と思っているの?
沢山の人を抱いてきたんでしょう?
俺も、
あの人達と同じ?
身体を愛撫していく來臥の唇があたる所が、チクリと痛みが走る。
初めて受ける行為に、恐怖心が芽生えた。
最初のコメントを投稿しよう!