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『…っ……ら……ぃが』
『ふざけやがって…テメーが誰のモノか、この身体に教えてやる。二度と誰にも触らせねぇように』
怒りを含んだ呟きは、ガチャガチャと俺のベルトを外す音で更に息苦しくなった。
『あ!……ゃだ……やぁ』
恐怖で縮まる俺のモノを下着の上から撫でられて、涙が止まらず首をふる。
どうして…
どうして…
脳裏に優しく微笑む來臥が現れて、その瞳が鋭く軽蔑する眼差しに変わる。
…俺はもう
いらない?
『!』
突然身体を突き抜ける痛みに、息が止まった。
來臥も流石に気づいたのだろう、愛撫する手を止めて俺を訝しげにみやる。
それでもあまりの痛さに反応できなかった。
『……ラン?』
『っは!』
『ラン!』
………………気づいたら、溜まり場の奥の部屋で寝ていた。
シン…と、静まりかえる薄暗い室内に、微かに残る情事の匂いに吐き気が込み上げて口を押さえた。
扉があいて誰かが駆け込んできたのは覚えていたが、伸ばされた手が誰のかは解らなかった。
次に気づいたら、
自分の家の自分のベットにいた。
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