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カーテンから薄暗い光が射し込んでいるが、今が朝なのか夜なのかわからない。
動かない身体に思考に、
再び瞳を閉じたが、
來臥の悲しい瞳が脳裏にやきついて離れなかった。
何で來臥が辛そうな顔をするの?
………俺が、悪いの?
『……俺の実家に行くか?』
気づいたらカーテンは開けられて室内に、赤く染まった光がさしこんでいた。
俺のベットに座り、優しく頭を撫でる手に目が覚めた俺は、暫くぼーっと見つめていたらしい。
心配そうに細められた目元に、薄い隈があるのに気づいた。
そこにいたのは父さんで……
久しぶりにあった父さんは、少し痩せていた。
『……や……せた?』
『あ?ぁー、最近忙しくてな。ま、んなのお前を一人にしている言い訳にもならねーか』
…あぁ、気にしてたんだ
今まで母さんがいたけど、俺と2人の生活にどう接していけばいいのか…
わからなかったみたいだ。
父さんは感情を出すのが苦手らしく、あまり変わらない表情を汲み取る母さんが神様に思っていたが…
…俺と父さんは似ていたらしく、言葉が苦手なんだと安心した。
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