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『時々、神楽達からお前の様子を聞いてたんだが…
………大丈夫か?』
………大丈夫?何が?
首を捻る俺に、小さな溜め息をついて…頭を撫でていた手が俺の頬を滑り、首を伝って胸元で止まった。
『………悲鳴をあげてねぇか?』
『………』
…………何で?かーくんから何を聞いたの?俺の事を?
…どこまで?
『…んな不安そうな顔しなくていい。………悪かったな、ろくに傍にいてやる事もしねーで。
…で、どうする?』
『………え?』
『…俺の実家に行くか?
正直、まだ数年は忙しいんだ。事業を任せる奴も育てねぇといけねぇし…
お前をあそこにやるのは嫌だが…
それとも、神楽達と同じ学校に行くか?あそこにやるのも抵抗あるが』
…………
『…父さんは、かーくん達が行ってる学校…知ってるの?』
『…あー、まー。俺も行ってたからな…それに、あそこは…』
そういって口ごもる父さんは、困ったように窓の方を見た。
『隔離された閉鎖的な世界だ。心が敏感なお前には…キツイかと思ってたからよ…』
…あぁ、心配してたんだ。いや、させてしまった…かな。
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