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声をかけられて振り返ると、まるで闇の中から生まれたかのような…
闇色を纏った男の人がいた。
『………何している』
…何?何って…
言われて気づいた。
今、自分がやっている事に…
その瞬間、頭の中が真っ白になった。
俺は何をしているの?
何でここにいるの?
俺が今殴ったのは、誰?
俺、なんでこの人達と殴りあっているの?
目の前にいた男に、地面に叩きつけられ上にのりかかり殴られる。
その痛みさえも感じない。
…何も
…何も感じなくなればいい
気がつくと、
暖かい温もりを感じた。
身体が重く、指一本動かすのも億劫で…
『………起きたのか?』
すぐ近くから聞こえた知らない声に、瞼をあけた。
目と鼻の先にある闇色の瞳に吸い込まれるような錯覚さえ覚える。
その闇に身を任せたら…
俺は楽になれるんだろうか?
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