闇夜…?

33/50

7206人が本棚に入れています
本棚に追加
/573ページ
『何で…?』 『あ?…………………気紛れ』 ………あー、うん、なんかそんな感じがする。 腕の中で見上げてみると、何故か鋭い闇色の瞳を細めるろうちゃんに、首を傾げたら… 『…ねぇ、地味に痛いんだけど…何でさっきからデコピンなの?』 流石に3度もデコピンされると、おでこが痛くて睨み付けて見た。 …涙がでたのは仕方がない。 『っ……………ハァ』 『あ、なんだろうね。何か地味に傷つくんだけど?ろうちゃん…あぅっ!』 だから痛いから!もぅ! 五回目は流石に嫌だから、ろうちゃんの胸元にぐりぐり額を押し付けてみた。 …………で、不意に気づいてしまった。 ろうちゃんがつけているだろう香水の香りに… 急に大人しくなった俺を不思議に思ったらしい。 『…………どうした…?』 『……!…』 急に吐き気が込み上げてきてろうちゃんから暴れるように離れ… 口元を押さえて蹲った。 …脳裏に蘇るのは、俺を凌辱しようとした來臥。 來臥と同じ匂い…だから? だから、ろうちゃんに触られても平気だったんだろうか…? …何で 何で嫌いになれないの?
/573ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7206人が本棚に入れています
本棚に追加