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『ラン!』
突然俺を呼ぶ声にビクリと身体が飛び跳ねたのがわかったのだろう。
俺を抱き締めるろうちゃんの手に力が加わった。
『…最近顔出さねぇと思ったら……何してやがる?
なんだこいつは』
…………
來臥が怒っている…
それはどうして?
俺が來臥の恋人だから?
それとも…
…玩具を取られたから?
ろうちゃんの服をいつの間にかぎゅっと握っていたらしい。俺の手の上から手を重ねるろうちゃんを見上げると、優しい笑みをくれた。
…心配するなって事?
『!…テメーは……
何で俺のランを抱き締めてやがる?離しやがれ!』
いきなりろうちゃん目掛けて足を振り上げた。
俺を抱き締めたまま後方に下がると、俺を離して頭を撫でる。
『……ろうちゃ』
『………離れてろ』
俺を庇うように立ちはだかるろうちゃんを見て、冷たい瞳が更に細まった。
『テメー…ロウだろ。
最近この辺りで族潰して回ってるっていう。
お前、いつからコイツと逢ってた…ラン』
………それは…
何に対して聞いているの?
俺が…
ろうちゃんと浮気してるって考えているの?
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