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その場を動かない俺に痺れをきたしたのか、來臥は舌打ちすると手をさし出した。
『ラン!こっちに来い!ソイツは族潰しだ!お前が関わったら駄目だ!お前は俺の側にいればいいんだよ!』
……何でそんな悲しそうな瞳をしているの?
俺の事いらないんじゃなかったの?
俺よりあの少年を選んだんじゃなかったの?
俺…………
まだ、望みもっていい?
『ライ!何してんだよ!』
その時、その場を切り裂くように響いた声で一歩踏み出した足が止まった。
來臥を後ろから抱き締めるようにとめるのは…
…あの少年で。
彼が次に言った言葉は、俺の心に刃となって突き刺さった。
『俺が昨日、コイツにやられたから俺の為にコイツ探してたんだろ!?敵討ちしてくれたのか!有難うな!』
『…ハヤ!?な、何でここに』
『…………お前、チーム "D"の頭だろ。…馴れ合いか?』
『!』
興味無さそうにいうろうちゃんの態度に、來臥の拳に力が加わったのが解った。
『ハヤとは…!協定を結んだだけだ!そんな事よりラン!』
來臥の声で少年の瞳が俺を見つけて、驚いたようだ。
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