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お風呂から上がるとリビングにいるかーくんが、誰かと携帯で話している声がして…
頭からタオルを被りそのまま自分の部屋にいき、ベッドに倒れこんだ。
…心が感情を拒否していて、母さんが死んだ時みたいに何も考える事が出来なかった。
…………気がつくと、目の前に心配そうに瞳を細めるかーくんがいて…
どうやら俺は、少しの間感情を手放していたらしく…
何度呼んでも、人形のように虚ろな瞳でいたようだ。
『今、狼帝達がくる。ついでに一緒に飯食べようだと。あいつら、俺の蘭に…』
まだ何かブツブツ言っているかーくんを見て、ふっと微笑んだら頭を撫でられた。
『風邪ひくから暖かい服装にしろ。あ、襟のある露出の少ないやつな。誰があいつらに蘭の肌を見せるかよ…ブツブツ』
そう言ってかーくんが閉めた扉を暫く見て…
………時計を見た。
夕方…
…ねぇ、來臥。
來臥は俺の事を待っているんだろうか…。
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