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《……行かないでくれっ!俺の…側から…何処にも!》
悲痛な瞳で俺と話がしたいと言った來臥の瞳が…
頭から離れなかった…。
………………気がついたら、
溜まり場の近くを歩いている自分がいた。
何でここにいるのか…
どうやって歩いてきたのか記憶がなかった…
…どうしよう。彼もいるんだろうか
來臥ときちんと話したい。でも…
…怖い。
あの少年には逢いたくない…
ぐるぐる回る思考に吐き気が込み上げ、口元を押さえてビルの壁に凭れた時………
…目の前に人の気配を感じて顔をあげた。
『…………話があるの。ついてきて』
有無を言わさず俺の腕を掴み引っ張っていく。
その手に隠る力や無言の背中が、怒りや悲しみを物語っていて…
…………腕を振りほどく事も出来ずに連れてこられたのは、人気のない空き地で…
…………振り向いた瞳が冷たく、
気がついたら、頬に痛みを感じた。
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