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◆side,ROUTEI◆
ホテルの自分の部屋のベッドに寝かせると、俺の服を掴んでいたらしい。
無意識に何かにすがりたかったのか…
それとも…
やんわりと蘭の手を服から離して握った。
…蘭の手は、
冷たかった。
あの日…
蘭のマンションに行く途中に見つけた子犬の抱き枕を買って、マンションの門を潜ったとき…
携帯がなった。
隣でぬいぐるみを抱いた俺を、馬鹿にする源の後頭部を殴ってから電話に出ると…
頭の中が真っ白になった。
ぬいぐるみを落とした俺を不思議そうに見ながら拾おうとした源は、
蘭がいなくなったと聞くと走り出していた。
あいつの行きそうな所を全て探した。
最近、ライのセフレ共に不穏な動きがあると今しがた源と話していたばかりだ。
沸き起こる不安を追い払おうとするも嫌な考えは拭い去れなくて…
やっと見つけた蘭は、変わり果てた姿をしていた。
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