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「狼帝。蘭は?」
室内に入りながら聞く源の他に、人の気配を感じて瞳をむけた。
源の後ろには、宝生達がいたが…
「……………何故貴様がいる」
ライの姿をみた途端、眉を潜めた。
何の為に蘭を気絶させたと思っている。
「…………ラ…ン」
ライの呟きに、気づいたら殴っていたらしい。
床に転がるライと驚いている宝生達、溜め息をはく源が視界に映った。
「……………貴様のせいで蘭は…。今更…罪滅ぼしか?……俺は何も知りませんでした…と?
…………貴様もアイツと変わらねぇよ…
無理矢理蘭を傷つけようとした。どの面下げて蘭に逢いにきたんだ?」
…そう畳み掛ければ、流石に何も反論できないのか俯いている。
源に視線を向けると、苦笑して肩を竦めていた。
こいつは愉快犯だ。
蘭に対しては怒りを感じるが、この状況を楽しんでもいる。
その証拠に、ライをここに連れてきたから。
思わず舌打ちすると、素知らぬ顔をしやがるから脛を蹴ってやった。
「……銕先輩…蘭は?」
悶絶する源を完璧にスルーする宝生に、小さく首を振ると瞳を歪めた。
…こいつらの感情は素直だ。
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