記憶の狭間…?

5/38

7206人が本棚に入れています
本棚に追加
/573ページ
「狼帝。蘭は?」 室内に入りながら聞く源の他に、人の気配を感じて瞳をむけた。 源の後ろには、宝生達がいたが… 「……………何故貴様がいる」 ライの姿をみた途端、眉を潜めた。 何の為に蘭を気絶させたと思っている。 「…………ラ…ン」 ライの呟きに、気づいたら殴っていたらしい。 床に転がるライと驚いている宝生達、溜め息をはく源が視界に映った。 「……………貴様のせいで蘭は…。今更…罪滅ぼしか?……俺は何も知りませんでした…と? …………貴様もアイツと変わらねぇよ… 無理矢理蘭を傷つけようとした。どの面下げて蘭に逢いにきたんだ?」 …そう畳み掛ければ、流石に何も反論できないのか俯いている。 源に視線を向けると、苦笑して肩を竦めていた。 こいつは愉快犯だ。 蘭に対しては怒りを感じるが、この状況を楽しんでもいる。 その証拠に、ライをここに連れてきたから。 思わず舌打ちすると、素知らぬ顔をしやがるから脛を蹴ってやった。 「……銕先輩…蘭は?」 悶絶する源を完璧にスルーする宝生に、小さく首を振ると瞳を歪めた。 …こいつらの感情は素直だ。
/573ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7206人が本棚に入れています
本棚に追加