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あの時…
イズミの携帯が鳴ったのは知っている。あの双子もランを探しているようだった。
腑に落ちない瞳のイズミがたまり場から出ようとしたのを、止められていた。
もし、あの時…
探しにいけば…?
「テメーが欲望を注いだ女男共に、普段から嫌がらせを受けていたのを知ってたか?」
戸口にいつの間にか双子がいた。血相を変えて、各務はランにすがり付き…
神楽は銕が手を離すと同時に、俺の胸ぐらを掴んできた。
「………狼帝が見つけなきゃ…蘭は今ここにいねぇ…
あの日…
テメーのせいでハヤに乱暴されかけた蘭はな…
それでも、
テメーのとこにいったんだよ…
それなのに…」
俺の胸ぐらを掴む神楽の手が怒りと悲しみに震えている。
神楽の言葉を引き継ぐように、銕が口を開いた。
それは…
あまりに…
「貴様のセフレ共に拉致され、
暴行された挙げ句…
歩道橋から突き落とされた」
…………あぁ…ラン
俺は…
俺は…
ただ、
お前を狂おしい程
愛していたのに…
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