記憶の狭間…?

11/38

7206人が本棚に入れています
本棚に追加
/573ページ
「………皆…知ってたんですか…?」 副会長は恐る恐る蘭の頬に手を伸ばし、声は震えている。 「…………葵。意識の戻った蘭は僕達の事を覚えていなかったんだ」 小さく吐息をはくと、各務先輩が蘭を見ながらポツリ…ポツリ…話し出した。 「蘭は今みたいにまるで人形のように何も反応しなくて… 身体の怪我も心も… 半年かかって少しずつ回復してきたからさ… 神楽と蘭のお父さんと相談して、うちに転入してきたんだ。僕の事も知らないから影から見守るようにさ。 記憶をなくした経緯は、狼帝と源も蘭を探してくれたから… 旺弘達は最近… 食堂でライとハヤが蘭に絡んだの覚えてるでしょ?旺弘が助けたの。 あの後に問い詰められて… あの時はフラッシュバックした蘭を旺弘が助け、二回目は泉が助けたから… 誰にも言うつもりはなかったんだけど… …ごめんね?葵が自分を責めているの知っておきながら、黙ってて…」 蘭の手をとり、その手を副会長に差し出している。 副会長は、ゆっくりその手をとるとしゃがんで蘭の手を自分の頬につけ… 小さく震えていた。 「……ン…ラン……んで…」 ,
/573ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7206人が本棚に入れています
本棚に追加