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「図書室で偶然あった狼帝も蘭に気づいて、責められたがな。
宝生達といる蘭は、徐々に感情も戻ってきたから…なら、俺達を思い出さない方がいいって思っていた矢先…
ハヤが転校してきたんだ」
会長の胸ぐらを突き放して、神楽先輩が苦虫を潰したような顔で吐き捨てた。
「…………ランの髪は?
あの、白銀の綺麗な…」
「…………どうやら、自分で染めたらしい。翁蘭さんも驚いていた。
理由はわからないけど、この色が嫌いだから染めるって…
記憶がなくても何処かで覚えていたんだろうな。まぁ、相変わらず怖くてコンタクトはいれられないみたいだし」
どこか懐かしむように小さく笑う神楽先輩は、俺に視線を向けた。
「宝生。蘭の事は俺達に任せてくれないか?
頼みがある。
宮崎に蘭は体調を崩したから部屋で寝ていると伝えてくれ。
あと…
旺弘達を呼んでくれないか…」
そう言った神楽先輩は、怒りに満ちた瞳を会長にむけた。
彼等と俺達の間に一線引かれた気がした。
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