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◆side,SHOUTA◆
………目の前で起こった事が理解できない。
隼が言った事も、那智浦が銕先輩に抱き抱えられて行ってしまったのも、会長がとった行動も、何もかも…
第一、篠原先輩ってあんな人だったか…?
…隼といた時はもっと…寡黙で…
それに、那智浦が気を失う前の瞳が頭から離れなかった。
あんな感情の籠らない死んだような瞳…
あんな那智浦初めて見た…
会長は、隼の話を遮るように…
会長に触ろうとした手を叩き落とした。
『な!何するんだよ!ライ!』
今まで見せた事がないような冷たい怒りを含んだ瞳で、隼の胸ぐらを掴むと吐き捨てるように言った言葉が信じられなかった。
『テメー、二度と俺に面見せんなや…ふざけやがって…』
突飛ばすように手を離して、篠原先輩に顔を向けた。
『………ランに逢わせてくれ…』
その声は、今まで聞いた事がないような悲痛な弱々しい声で…
『……あぁ、いいぜ?俺は。テメーに覚悟があんならな』
篠原先輩についていく会長や宝生達が遠ざかるのをただ、見てるしかなかった。
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