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あいつを手に入れて、縁を切ったはずのセフレを
あいつの代わりに抱いた。
どんなに酷く抱いても、あいつが壊れる事はない。セフレも何もかも…
罪悪感など感じなかった。
…………だけど
あいつが傷ついた瞳を、
悲しみに染まって…
時折、あの綺麗な藍色の瞳が硝子珠のように感情を映さなくなっても…
…俺は逆に悦びを感じたんだ。
あいつの心には、俺だけがいる。
…なら、もっと俺だけに染めたい。
…そう思った。
…………それなのに
心の奥で、
あいつがあまり笑わなくなり、
喋らなくなったのに気づいてて…
…自分のせいじゃないって、正当化させようとした。
…だけど、虚しさは心の闇を飲み込み、
久しぶりにこの手に抱き締めたあいつがあまりに愛しくて…
自分の馬鹿さに気づいた。
手放すものか。
やっと、見つけたんだ。
もう、代わりなんかいらないから…
俺の傍にいてくれ。
…ある意味賭だった。
あいつならくる。俺から離れないって…
何と愚かな事か…
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