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喪ってから気づくなんて…
あいつが次の日から姿を消した事を、アキ逹に責められた。
葵があいつを好きなのを知っていた。
あいつの前で、優しく、愛しそうに…
あんな葵をみた事がなかった。だから、余計嫉妬した。
葵は、
あいつが姿を消すまで悩んでいた事に気づいてあげれなかったと…
自分を責めた。
…俺は、嘆き悲しむあいつらから
…逃げたんだ。
俺のせいじゃない。
あいつにはセフレ共が言うように、他に男がいたんだ。
俺を裏切ったんだ…
………そう思いこんだ。
…………だから、
俺を殴る葵に、抵抗なんて出来ない。
現実は…
俺のせいで、
一番大事な奴を壊した。
穢したくない想いが、逆に無垢なあいつを穢し…
地獄に突き落とした。
泣きながら俺を殴る葵の向こうには、
穢れ羽根をもがれた…
光を失い死んだような虚ろな瞳が、
俺を見ていた。
…………ラン
…ごめん
ごめんな…
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