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「な!何すんだよ!?友達を殴るなんて最低だぞ!旺弘!うわ!」
ホテルを出てすぐ俺に気づいたハヤが、ライや源の悪口を言いながら近づいてきた。
その薄汚れた頭をかち割りたかった。
拳に籠めた怒りは、ハヤを殴っただけでは収まらない。
切り刻んで海に捨てても…
………元の蘭に戻らない。
「うぐぅ!旺弘!な、何すんだよ!俺がなにして!」
こんな奴でも頭をはっていたのは、飾りじゃなかったみたいだ。
俺の拳をよける様に、更に心が渇いていく。
…身体の奥に封じた闇が、血を求めて疼き出してくる。
口角があがり笑いだす俺を、ハヤと後ろにいた餓鬼共が驚いているのがぼんやりと視界に入る。
俺の豹変ぶりに、餓鬼共の顔が青くなっている。
ハヤの髪を掴んで地面に叩きつけた。
呻き声と共に鼻血が飛び散る。その鮮血さえ、今の俺は高騰する気持ちを抑える事が出来ない。
咳き込み信じられない瞳を向けるハヤに、笑いかけた。
「死ねよ、テメー」
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