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……戸口に腕を組んで寄りかかり、威圧的な冷たい眼差しを向ける年配の男性が…
ゆっくり室内を見渡し、驚きに目を見開く彼らからﾍﾞｯﾄﾞに向けた。
そのﾍﾞｯﾄﾞに横たわる蘭珠を見つけると、更に眉間のシワを刻む。
室内にいた誰もが同じ疑問を頭に浮かべているようだ。
何故…？
何故彼がここに…？
それを問う雰囲気はなくただ、
彼が無言で蘭珠に近づくのを見ているしかない。
彼が蘭珠の頬にふれ、何も反応がない事がわかると…
地を這うような低い低い声が、室内を満たした。
｢………神楽、各務｣
｢｢！は、はい！！｣｣
突然名前を呼ばれた二人は、ﾋﾞｸﾘと身体を硬直させ顔を真っ青にして直立不動だ。
心無しか冷や汗がﾀﾞﾗﾀﾞﾗ流れ、あの双子が怯えているような気がする。
｢最近貰った報告に、なかったよなぁ。てめーら…｣
｢｢ひぃ！いや！だって、あの時はまだ！…あ｣｣
どうやら失言に気づいたらしい双子は、あたふたと珍しく慌てている。
何故か、室内にいる誰もが若干顔を青くしている気がするが…
それもその筈、
彼は、
鷺ノ宮学園の理事長なのだから。
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