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「…ほぉ。まだ、ねぇ…
………紫音」
「はい」
と、突然現れた綺麗な男性がぽいっと室内に何かを投げた。
どさりと大きな音と呻き声に、皆の視線が集中する。
まるで穢いモノでも投げたかのように、ポケットから出したハンカチで手を拭く紫音と呼ばれた男性は理事長に瞳を向けてからベッドに視線をなげて…
「……………誰が蘭珠様にこんな仕打ちをしたんですか」
………と、威嚇した。
室内の温度が更に下がった瞬間であり、同時に疑問が頭上に飛び交う。
「………らんじゅ…さま?」
「あ、何だ。お前らかよ、これやったの」
戸口に呆然と佇み呟いた泉の声で、旺弘と泉に気がついた源の場にそぐわない明るい声が響いた。
「……あ、いや……旺弘が暴走したから…止めたんだが…」
「場所を選んで下さいね。ホテルの前でやる事ではないし、何より学園の名に傷つきます。
で、話の流れからしますと、そのボロ雑巾と生徒会長のせいで、
大切な可愛らしい蘭珠様を傷つけたという感じで間違いないですよね?
浩ノ宮さん達」
静かなのに背筋が凍る言い方に、双子は首を勢いよく降って頷いた。
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