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「………随分面白い子ですね」
にっこり笑う紫音に、各務と神楽が真っ青な顔で一歩下がった。
「…やべーよ、各務」
「あはー…どうしようか、神楽。蘭ちゃん起きないし…誰が紫音さん止めるの?」
チラリと唯一、これを回避出来るだろう人物である理事長を見ると…
彼は紫音以上に、はっきりと不愉快そうに眉間にシワを寄せていた。
二人はこの状況から抜け出したいようで、切実に、心から、蘭が早く目覚めるよう祈っているようだ。
「さてさて、理事長。彼の転入は何故認められたんでしたっけ?」
「…………あぁ?んなの知るかよ。紫音が判押したんだろ」
「そんな昔の事覚えてませんよ。
それより、蘭珠様を病院に運びますか?」
「そうだな。この後の会議はキャンセルしとけ。恵蘭(ケイラン)に連絡して… 「お前ら!人の事無視したら駄目なんだぞ!ランを何処に連れていくんだよ!」 ………チッ」
…流石王道、紫音と理事長の額に青筋がたった。
「…………神楽、説明」
深い溜め息と共に吐き出した説明を求める狼帝の声が、救世主に聞こえたのは
間違いないようだ。
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