記憶の狭間…?

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◆side,ROUTEI◆ 「……わんもあぷりーず?」 鳩が豆鉄砲を喰らったような顔で、再度説明を求める源は… 冷ややかな紫音という男性の瞳に、顔を青くして口を閉ざした。 …蘭がまだライの恋人として出逢った時、情報屋の源とよく一緒にいたから蘭の事も調べたが、 出てきたのは、母親を亡くしサラリーマンの父親と同居という事だけで… 日本で有名企業の御曹司である双子も、蘭の事は何も言ってなかった筈だ。 「………理事長だと知ったのは、高校入学してからだけどな」 何処か遠い眼差しで語る神楽に、何かがあったらしいが知りたいとは思わない。 蘭は、 鷺ノ宮学園理事長、鷺ノ宮 翁蘭の一人息子だった。 鷺ノ宮グループといえば、世界で五本の指に入る大企業で… それこそ、学園で一番の大企業であるライの家が指一本で潰せるくらいのだ。 だが… 蘭が住んでいたマンションは、億万長者が住むような豪邸ではなく… どちらかといえば上流階級のマンションだったが… そんな事をぼんやりと考えていたら、蘭のベッドに座り頭を撫でていた理事長が溜め息をついた。 ,
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