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◆side,AKIHIRO◆
ミシッ…と、肋が悲鳴をあげてライの瞳が苦痛に歪むのが見えたが…
俺の足はその場に縫い付けられたかのように動かず…
ただ、蘭を見ていた。
虚ろな死んだ瞳…
また、この目を見なくては行けなくなった事に…
どうしようもない怒りが込み上げてくる。
やはり殺せば良かった…
泉が止めたりしなければ…
ギリリ…と奥歯を噛み締め鉄の味が口中に広がる。
蘭
蘭…
「それ以上蘭に近寄るんじゃねぇ」
ふらりと吸い寄せられるように蘭に近づき触れる瞬間…
酷く冷たい声が、俺の動きを止めた。
ビクリと思わず跳び跳ねた肩越しに、ライを見ていた冷たい瞳のまま俺を射抜く藍色の瞳。
理事長の言った意味がわからなかった。
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