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「………悪いが、
テメーにも触って貰いたくねぇ。
テメーに非がある訳じゃねぇ…
だけどな、
許せねぇものは許せねぇんだよ…」
………なん…の話だ…?
俺が何時…蘭に危害を加えた…?
「理事長、恵蘭様からお電話ですよ」
「………でれよ」
「理事長のプライベート用の番号です。先程メール致しましたので…どうぞ」
理事長に携帯を渡してそのまま俺に近づいてきた秘書は、蘭の頬に触れた。
舌打ちした理事長が通話ボタンを押すと同時に…
《翁蘭!10秒以内に説明しなさい!》
…女性の叫び声が部屋中に響いた。
「煩せぇよ。紫音」
「そうですね、全く同じ症状ですね」
「だそうだ」
《じゃないわよ!そいつら連れてらっしゃい!切り刻んでやるから!》
怒鳴り声になれているのか、二人は平然と女性と会話を続けている。
理事長の下で若干青くなっているライがいるが…
俺の頭には、さっきの言葉が木霊していた。
「………俺も…蘭を…傷つけた?」
呟いた声は思いの外響き…
不穏な空気が流れた…
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