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俺の反応を見た秘書が、何かに気付いたのか室内を見渡すと…
蘭の手を握り…
「そこの彼は知っていたみたいですね。いつからですか」
そう言って、にこりと笑った先には…
苦痛に瞳を歪めた狼帝がいた。
「あ?何の話だ?」
「…………」
源が首を傾げて問うも、口を閉じて語ろうとはしない。
………なんだ?
情報屋の源が知らなくて、族潰しの狼帝が知っている事…?
「………理事長…
それだけは…勘弁してやってくれませんか…
傷つくのは、蘭なんです…」
「……………」
「……蘭が一番気に病んで…記憶を消した原因の一つでしょう。
…調べたんなら、何故俺が情報操作したかも知っていて、
………これ以上、蘭が傷つくのは」
「当事者だろ。蘭に甘えた結果が蘭をこんな目に合わせたんだろうが…
俺はな、
いくら蘭が泣いて頼んでも、俺には蘭の方が大事なんだよ!
大事な息子こんなにされて黙ってられるか!殺しても殺し足りねぇよ!」
憎悪に歪む瞳に、狼帝が瞳を伏せる。
「何の事だよ。旺弘の女がライのセフレっていう話か?」
「「「あ!この馬鹿!」」」
………え?
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