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「……………舞が蘭を殺そうとした?」
泉の呆然とした声も何処か遠くに聞こえる。
ライ達も驚いたように口を開けているのが、視界に入る。
…舞が蘭を突き落とした。
舞が…
「……んで」
俺の呟きに顔を歪めた神楽が、顔を隠すように前髪をかきあげたまま深い吐息をはいた。
「何で…?……お前が…気にしてたから……だろ…。
お前も…ライも
一番に気にかけるのは、蘭だから…
だから蘭は…
自分の事より…お前を…ライを…舞を…
くそ!何でだよ!
何で…
…蘭が」
震える声は、それ以上音にはならず…
代わりに…
戸口から小さな物音がした。
そこにいたのは、
呆然と佇む宝生と…
顔色を失い、戸口にすがり付くように踞る…
舞がいた。
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