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◆side,NANAMI◆
「…理事長。今日はこのまま寝かせてあげて下さい…
明日、真っ直ぐ病院に連れていきますから…」
「…とりあえず蘭珠様の意識ははっきりしているようですし、今無理に動かさない方がいいかもしれませんね」
「…わかった。だが、明日俺が連れて行くからな。今日一晩、何かあったらすぐ連絡くれ」
「わかってます」
…目の前で、繰り広げられる会話は…
何処か遠くて
「ここ狼帝の部屋だろ。俺の…」
「神楽、我が儘いわないの。蘭ちゃんは、狼帝になついてるんだしね」
「いや、各務。こいつはそれが気にくわないんじゃないのか?」
「てめ!泉…」
「何だ、嫉妬かよ。なら俺もいるから…って、何だてめーら、その目」
明らかに蘭との絆の深さを見せつけられて、
戸口から動く事が出来なかった。
…あのまま部屋にいたら、自分も愛結と同じく泣き崩れそうで…
一人になりたくて部屋を出た。
暫くホテル内を彷徨いてると、少しは冷めた頭に…
いつの間にかロビーに来ていた。
至るところにSPらしき用心棒がいる事に気づいて、部屋に戻ろうかと踵を返した時…
…声をかけられた。
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