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『貴方、鷺ノ宮学園の方?』
『…そうですけど』
そこには可愛いというより綺麗な女の子がいた。
自分と同じ高校生に見えて、会議に出席する父親についてきたご令嬢かな…と、考えていると
予想外な名前が出てきた。
『鷺ノ宮学園の生徒会長に逢いたいんだけど、案内してくれないかしら』
『………』
…その言い種に思わず眉間にしわをよせてしまった。
お願いではなく決定事項の言い方に、つい大人気なくムキになってしまい…
『………会長とどんな関係ですか。部外者を案内する訳にいかないので』
…浮かんだのは、人形のような蘭の瞳。
その原因である会長に一体何の用があるというのか…
『ライから逢いたいって呼ばれたからきたのに、失礼ね。貴方』
人を蔑むような瞳は、学園でよく見てきた瞳だ。
『今…手が離せないと思いますよ』
『いいから案内して頂戴。やっときた連絡なんだから』
…仕方ない。
こんなお偉いさんがいる中で揉めるのも憚れるし、会長本人に引き渡そう。
その後どうなろうが、俺の知ったことじゃない。
…………そう自分に言い聞かせた。
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