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市ヶ谷先輩の言葉に、彼女が『姜先輩の彼女の舞』なんだと知った。
それと同時に、彼女が篠原先輩に騙されてここにきたことを知り憤慨する彼女が何故か滑稽に見えた。
篠原先輩が声を荒げ、近くにあったゴミ箱を蹴りあげると…
ソレは宙を舞い、彼女の側の壁にあたり跳ね返り小さな悲鳴が聞こえた。
銕先輩が蘭の為に動いていた事。
理事長が蘭の父親だった事。
目の前でバラバラだったパズルのピースが組合わさっていくのを、
何処か遠く感じていた。
何故なら…
目覚めた蘭に説明して、眠りにつかせるまで…
ずっと蘭の手を握り離さず、
蘭も安心したようにすがる様を目の当たりにして、
足が動かなかった。
今
蘭に必要な人は…
蘭の手を握って離さない…
銕先輩なんだろうか…
俺は…
その手を
安心させる事も出来ないし…ましてや、
銕先輩みたいな包み込む包容力も、強さも…
遠くから見守る事も出来ない。
あぁ…
俺はなんて非力なんだろうな…蘭…
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