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ろうちゃんは何も言わずに、トントン叩いていた手で俺の頭を撫でている。
白から闇に染めた髪を、優しく…
…魘されていたんだろうけど、何も聞かない。
それは、
俺が何も言わなくても分かっているから。
だからなのかな…
何も考えないで甘えられるのは…。
でも…
でも甘えていいのかな…
だって、この手は…
「………余計な事…考えるな」
………
「俺が好きでやってる…蘭は気にするな」
「痛いんだけど…」
…あれだよね。
ろうちゃんって、絶対Sっ毛あるよね?
「……人による」
えー…苛めはんたーい…
「愛情表現だ。ありがたれ」
…ろうちゃん、いつの間に俺様に!?
「気にするな」
…何かキャラ変わったよねー。一匹狼は何処いったのー?
「…………お前の事になると、無関心でいれん」
…………
ソロリと逞しいろうちゃんの胸から顔をあげたら…
悲しそうに揺れる闇色の瞳が、俺を見ていた。
そのまま見上げていたら何故かため息をつかれて、
額に口付けると、優しく抱き締めるろうちゃん。
「…もう少し寝てろ」
その声と鼓動は、安心できた。
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