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「……俺は猫か」
「猫よりは狼だけど。ろうちゃん、ミルク味が好きだったっけ」
「…いや。お前は葡萄の方がいいだろ」
……あれだよね。ろうちゃんってそういうとこ格好いいよね。
「惚れ直したか」
「うん」
「…………」
素直に頷いたらまた渋い顔をされました。
「…たかが飴で」
「いやまあ、今は飴だけど昔から優しいよねーって思って」
うん、來臥とろうちゃんの彼女がセフレだってわかった時も、彼女を責めなかった。
それだけの奴だったんだっていって…
逆に慰めてくれたっけ。
…今まで忘れていた分、次々と浮かんでは消え…
浮かんでは消え…
「…ろ……うちゃ…?」
「…………何も考えるな」
不意に感じる浮遊感と、唇に触れる感触に…
思考も止まった瞬間…
再び唇を塞がれた。
口腔内を貪るように動く舌が、俺の舌を絡める。
後頭部を固定されて、更に深く荒々しいキスに息も出来なくて…
やっと、離れた時には息も絶え絶えにクタリとろうちゃんに凭れた。
口の中は葡萄とミルクの味がした。
「なにも考えれないだろ」
「…やっぱり何気にSだよね」
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