宝石箱…?

23/32

7205人が本棚に入れています
本棚に追加
/573ページ
◆side,NANAMI◆ 「……」 慰安旅行から帰ってきた俺達は、無言で寮のそれぞれの部屋にはいった。 顕彰が部屋を開けて瞳に悲しみが宿ったのをみて… 蘭がまだ帰ってきていない事を知った。 愛結は見るからに落ち込み、無言で自室に入って暫く出て来なくて… だが、俺にはそれを元気つける勇気も気力もなく… 靴を履いて自室を出て、深い溜め息をついた。 蘭の過去は、 俺達の想像以上で… 蘭に対してどうしたらいいかわからなかった。 記憶を思い出したら… 蘭は変わってしまうのだろうか… 今までのように過ごせるのか? 蘭は… まだ会長を ……好きなんだろうか。 ずるずる崩れそうな膝に力を込めて一歩足をだした。 蘭に会わないと… 病院からいつ帰ってくるかわからないけど、 寮の玄関でまっていたかった。 お帰りって… 「…あ」 「?」 顔をあげると、戸惑ったような複雑な顔の喜多見がいた。 どうやらコンビニに行っていたらしい。買い物袋を持っているから。 「あのさ……!…い、委員長…」 ,
/573ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7205人が本棚に入れています
本棚に追加