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◆side,RANJU◆
はぁはぁ…
辺り一面闇の中を、闇雲に走り回って…
ここが何処なのか、何処に向かっているか解らないけど…
闇よりも深い闇に追いかけられている恐怖から、逃げていた。
多分、その闇に囚われれば…
…堕ちる。
堕ちて…堕ちて…闇から抜け出せなくなる恐怖に、
必死に走って…
走って…
「!」
不意に足元の床が崩れ落ち、辺り一面蠢く黒い蛇に身体を、
腕を、
足を取られ、
もがくたびに締め付けられて、苦しくて苦しくて…
不意にその蛇が、
男達の手に変わった。
その手が衣服を破り、素肌を這い出す。
俺の身体を闇に引きずりこみながら、あらゆる所を犯していく。
手が下腹部へと降りて、足を大きく広げられ…
「――――!」
声にならない激痛が身体を突き抜ける。
それはまるで、
指ではなく手ごと中に突き刺さるような…
内蔵も意識も…
魂も…
何もかも犯され、『俺』が壊れていくのを…
『俺』が見ていた…
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