宝石箱…?

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「蘭ちゃん…」 不意に俺を包む温もりに、一瞬身体が強張った。 俺を抱き締める愛結が気づかない筈はないのに… ぎゅうって… 愛結の身体が震えているのに気づくと、唇を噛み締めた。 …ごめんね?愛結。心配させて。 「…!」 「俺達のことは気にするな。自分の事だけ考えろ… 自分の幸せだけを… ゆっくりでいいから 一つずつ… 蘭が俺達から離れたかったら、離れていいから。 1人が嫌なら傍にいるから。 だから… 俺達に気を使うな。 お前が… 好きなんだよ…。笑っている蘭が… だから… 頼ってくれ」 なっちゃんとけんちゃんにも抱きしめられて、 なっちゃんの言葉を肯定するように何度も何度も皆頷いて… 狡いよ、なっちゃん。 そんな事言われたら… 手放せなくなっちゃうじゃん… この温もりから… 愛結の制服を掴んで、唇を噛み締めた。 そうでないと、 頬を伝う滴が… ばれちゃうから… ごめんね皆… 有難う… ,
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