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◆side,RANJU◆
「………」
「………」
「ぱぱん?…痛!」
「…チッ!」
うわー、聞いた?聞いた?舌打ちしたよ。え?俺が悪いの?えー…
とりあえず…
「皆して人のおでこなんだと思ってる訳?で、けんちゃんは珍しく何を作ろうとしてエプロン姿なの?」
「………」
無視?無視なの?泣くよ?泣いちゃうよ?愛結呼んでこようか?
「………ぷりん」
「………」
次の日、のんびりお布団の中で惰眠を貪って…いや、だって眠れたの朝方だし…で、昼前までうとうとしたら…
一緒に寝ていたはずのけんちゃんがいなくて、毛布片手にふらふらしながら部屋を出たらね?
嵐がきたキッチンでけんちゃんが黒いエプロン姿で四苦八苦してる珍しい姿を目撃して、ばちっと目があったまま暫く固まっていたという…
いや、だってなんか飛び散ってるし、溢れてるし、散乱して…
………ぷりん?
首を傾げる俺に、バツが悪そうにまた舌打ちして片付けようとしている。
…まさか、俺の為に?
料理が嫌いなけんちゃんが?
「!」
後ろからけんちゃんに抱きつくと飛び上がるように吃驚しているけど、気にしない。
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